カレカノ
ゆっくりと歩幅を合わせ歩いてくれる慶太を見つめると、彼も自分の視線に気が付いたのか照れくさそうに笑った。
「あの公園なんだけど…」
ガランとした広場の向こうに小高い丘が見え、そこに屋根のついたテーブルと椅子がある。
「雨降って来ても大丈夫だね??」
「うん、せっかくのお弁当が濡れちゃうのはもったいないし」
「そんな大したお弁当じゃないよ??」
柚葉の謙遜に慶太は首を横に振った。
「重要なのは中身じゃなくて気持ち」
「気持ち??」
「俺の為に朝早起きして弁当を作ってくれたのが嬉しいから、それが大事って事」
…-なるほど慶太君らしい。