カレカノ
照れ臭くて、視線を逸らし下をむくと慶太は手を握った。
「……顔見せて」
「え…」
顔を上げると、頬を赤く染めた慶太君がゆっくり顔を近づける…
あたしも頬が赤くなるのと鼓動が速くなるのが分かった。
目を閉じ、唇が触れるのを待っていたあたしの脳裏に浮かんだのは…―
「ま…待って…」
寸前のところで思わず声を上げてしまった。
「……あたし…あの…」
「俺は…男に見えない?」
「…え?」
「朱希だったら…」
そうポツリと悲しそうに呟いた。