カレカノ
「朱希…?」
「ごめん…いや…分かってたんだよな、俺」
1人で髪をクシャクシャと掻きながら自嘲する。
「慶太君…?」
「ごめんな…熱上がって来たみたいだから寝るよ」
「そっか…あたしも…ごめんね…じゃぁ…帰るね…」
部屋を出ようとしたあたしに慶太君は小さな声で"気をつけて"と背中を向けたまま言った。
…―あたし最低
あの時、頭に浮かんだのは朱希の顔だった。
光希に言われたからじゃない。
きっと、あたしは…―