カレカノ

「朱希…?」


「ごめん…いや…分かってたんだよな、俺」


1人で髪をクシャクシャと掻きながら自嘲する。


「慶太君…?」


「ごめんな…熱上がって来たみたいだから寝るよ」


「そっか…あたしも…ごめんね…じゃぁ…帰るね…」
部屋を出ようとしたあたしに慶太君は小さな声で"気をつけて"と背中を向けたまま言った。


…―あたし最低


あの時、頭に浮かんだのは朱希の顔だった。


光希に言われたからじゃない。


きっと、あたしは…―

< 224 / 240 >

この作品をシェア

pagetop