カレカノ
「あんたのどこが可哀想な捨て犬なのよ!!離してよ!!もぅ―!!!!」
「ほんとに頼むって!!おかんも親父も出掛けてて家に入れないんだよ!!」
通行人があたしら2人を変な目で見ているのがわかる。
「わかったから離してよ!!!!」
今、一緒にいたくないのが朱希なのに…―
あまりの必死さに仕方なく家にいれた。
「ただいまー」
家の中がやけに静かで、母さんの返事も聞こえない。
「誰もいねぇのか?」
「何にも言ってなかったけど…」
台所に入ると、テーブルの上には一枚のメモ。