カレカノ

これが、精一杯の強がり。

首筋が熱をもってジンジンと疼く。


「こ…こういうのは…段階をだね…ちゃんと踏んでももらわないと…」


「なに…その校長先生みたいな言い方…」


顔を見せたくなくて後ろを向いたまま朱希のツッコミを聞いた。


「……」


朱希は、両腕を回し柔らかく背中から抱きしめて来た。


「段階踏みます、大事にします…柚葉が好きです」


それに抵抗もせずに、背中に伝わる鼓動と―…


きっと朱希から聞きたかった好きだという言葉に頷いてみせた。


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