カレカノ
間抜け面とは今の朱希みたいな顔を言うんだろう。
ピタリと動きが止まり柚葉を見つめた。
「おい…柚葉…」
「な…なによ?」
奇妙な行動とドスの利いた声に戸惑った。
「俺…彼女、作る」
「……勝手に頑張れ」
それは朱希がずっと思い続けて来た愛子に告白するという事なんだろうか?
柚葉は自然と愛子に視線を送り当の本人はきょとんとしたまま首を傾げた。
「朱希が彼女…プッ!」
慶太が、すかさず小馬鹿にしたように笑った。
「なんだよ?俺には無理だとでも言いたいのか?」
「別に〜…頑張れ」
またしても適当なエールを送られた朱希は意地になったのかフンッと鼻を鳴らし残っていたパンを口に詰め込んだ。