カレカノ

「…ったく」



手をパンパンと軽く合わせながら眉根を寄せて家を後にすると玄関の前に仇討ちを頼んだ張本人の悠里が待っていた。



「あ…お待たせ?仇は討っておいたから♪」



男前に親指を立てスッキリした顔をした。



「朱希君…は?」



「しばらくは戦闘不能にしてやった!いい気味」



「ハハハ…ありがと…」



ひきつった笑顔の悠里に満面の笑顔を返してため息をつく。



「どうしたの?」



「…えぇ?あたし朱希がモテる意味が分かんない…どこがいいの?」



「カッコいいじゃん…優しいし…おしゃれだし…」



あんな嫌な思いさせられたのに、それでも朱希の事を褒める悠里は懲りてない。


< 5 / 240 >

この作品をシェア

pagetop