カレカノ
適当な場所に自転車を止めて2人並んで中に入る。
「まだ、あったんだね〜…」
ブランコに腰かけ嬉しそうに漕ぎ始めた柚葉の前にある柵に朱希が腰を下ろす。
「あったんだな…こんなに狭かったか?」
「あたし達が大きくなったんだよ」
「…なるほどね」
腕を組み換えながら地面を見つめた。
「あんたって…」
「……なに?」
「いっつも女の子をこうやって口説いてんの?」
「ハァ?」
本屋に行けば自然な感じで雑誌を一緒に買い、帰るのかと思えば懐かしい場所に連れて来る。
柚葉の突然のセリフに間抜けな返事をして固まった。
「あのな…こんなんで女の子がついてくりゃ世話ねぇよ…」
呆れたように頭を垂らし怪訝な柚葉に言った。
「こんなんで…って何よ!あたしレベルはこんなんで十分て意味か!!??」
「違うわ!!気まぐれで寄ってみただけだよ!!別にお前なんか口説くつもりねぇし!!!」
「あ…当たり前でしょ!?」
ちょっといい感じになってたのに不毛な言い合いで結局、いつもと同じの2人。