カレカノ


「「フンッ!!」」



ほとんど同時に鼻を鳴らし子供っぽく、そっぽを向く。



朱希は柚葉に背中を向け柚葉はブランコをさっきよりも強めに漕いだ。



「……ていうか愛子に告白すればいいのに」



「…うるせぇな」



余計なお世話だと言うのも分かっているけれど…ついつい言葉にしないと気が済まない柚葉。



「お前は…慶太なんかお似合いなんじゃねぇか?」



「だから…何でさっきから慶太慶太って」



嫌いじゃないし優しいいい人だとは思う。



でも、本当にそれだけの感想と感情しかない。



「アイツはいい奴じゃん…ワガママなお前を受け止めるだけの器はあるし」



「……まぁ…あんたよりは誠実でしょうね」



「それに……」



何かを言いかけて止めた朱希の言葉の続きを聞く為にブランコを漕ぐ力を緩める。



「それに…?」



「他の奴とお前が付き合うより慶太なら安心出来るし…」



いつもなら保護者かよ?!とツッコミを入れるけれど真面目な声にそのタイミングを失ってしまった。


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