カレカノ
空を見上げた朱希の背中を見つめながら風をさっきよりも浴びた。
「…帰るか」
「そだね〜…おばさん待ってるかもだし」
「待ってねぇだろ…」
そう言いながら頭をグシャグシャと掻き歩き出した。
―――――…
「ただいまぁ」
「…いま」
帰り道、会話はなかった。
気まずい空気が流れているわけではないけれど沈黙の為ではなく居心地の悪さを柚葉は感じながらも黙っていた。
「あら、おかえり」
テーブルに頬杖をつき帰って来た2人におばさんが声をかける。
無反応のまま自分の部屋に向かう朱希を追いかけた。
「ふぅ…重たかった」
買った本をベッドに投げ捨てながら嫌みたっぷりに柚葉に視線を送る。
「そんなに重くないでしょ!!!失礼ね!!!」
おもむろに買ってもらった雑誌を取り出して床に開き読み始めると朱希も漫画を読み出す。