カレカノ
雑誌を読み始めた柚葉と漫画を読み始めた朱希。
「…ねぇ」
先に沈黙を破ったのは柚葉だった。
「…あ?」
「これ可愛くない?」
「……どれだよ?」
読むのを止め雑誌を覗き込むとカラフルな雑貨の特集が組まれていた。
「派手だな…苺って…女ってそういうの好きだよな」
小馬鹿にしたように呟いた朱希を拗ねた顔で見つめ
「へぇ〜…他の女の子もこういうのが可愛いって言ってたんだ?誰よ?」
「誰って…名前は…忘れたけど…隣の高校の…えーと…何て子だったかな」
「買ってあげたんでしょ?どうせ!!」
「買わねぇよ!!欲しいとも言われてねぇからな!!」
「欲しいって言われたら優しい朱希は買ってあげちゃうんだ〜?小遣いが幾らあっても足りないね?」
「だから!買わねぇよ!!!!」
端から聞くと彼氏の危うい発言に彼女の事情聴取が始まったように聞こえる2人の会話。
だけど、2人はただの幼なじみであって―…