カレカノ
「ふ〜ん…モテる男は大変ですね…」
「しつけぇな…つーかさ…」
ふと朱希が真顔になり柚葉に問いかけた。
「……??」
「この会話…変じゃね?何でお前に俺が責められてんの?」
「責めてないよ?大変だねって言ってるだけじゃん」
「……」
「……」
2人は一度だけ顔を合わせ、すぐに手元の雑誌と漫画に視線を戻した。
―…あたし何でこんなに必死になっちゃうんだろ?
―…俺、なんで素直に何でも話してんだ?
心の中で問いかけた言葉に誰も返事をしてくれるワケじゃなく―…
「愛子さ…」
「おぅ…」
スッキリ感はないものの頭を使う事に慣れない2人は心の問いかけを特には気にしなかった。
ただ、そこに朱希がいて柚葉がいる空気に何を感じるでもないからだ。
「告白したら…OKもらえると思うよ…」
「なんで?」
「だいぶ前に朱希に好きだって言われたら…どうするって聞いた時に彼氏がいなかったら付き合うかもって言ってたし」
「……マジでか」
漫画から視線を外さず驚いた顔を見せた。