カレカノ


「じゃ、告白しちゃおっかな♪」



「…頑張ってね」



気持ちのこもらない冷めたエールを送る。



「月曜日にダメ元で慶太に相談してから言ってみる」


「ふ〜ん…あ!この服可愛い♪」



「聞いてる?」



「聞いてる聞いてる」



月曜日か…愛子はきっと告白を受けるだろうな。



朱希の事ちょっと気にしてた感じだし。



2人が付き合い始めたらあたしが朱希の部屋に来る事はないのか…



そう思った途端に見納めで部屋をちゃんと覚えておこうとキョロキョロと見渡した。



散らばった雑誌に脱ぎ捨ててあるジャージとCD…



いかにも男の部屋という感じを飾り出している。



「……月曜日楽しみだね?」



「言うなよ?まだ誰にも!!!」



「分かってます!!」



喧嘩腰にならないように気を配ると雑誌を閉じ立ち上がった。



「…どこ行くんだよ?」



「え?どこって帰るんだよ?風邪はだいぶ治ったし」


「……あっそ、お大事に」


「どうも」



無愛想にその一言だけ告げると部屋を後にした。


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