カレカノ


「朱希に…」



「え?!なに?」



お鍋の中をかき回しながらおばさんが返事をした。



「朱希に…もうすぐ可愛い彼女が出来ますよ」



「そうなの?柚葉ちゃんでしょ?」



「ち…違いますよ!朱希はあたしなんか!!!」



「そ〜ぉ?お互い気が付いていないだけなのね?」



ポツリと呟いたおばさんの言葉が聞こえず聞き返すとニッコリと笑うだけだった。



―…しばらくして朱希が階段を下りて来る音が聞こえあたしの姿を見ても何も言わずに冷蔵庫を開けた。



「何かねぇの?腹減った」


「プリンがあるでしょ?柚葉ちゃんにもあげてよ」



「はいはい」



スプーンとプリンを柚葉の前に置くと隣に座った。


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