カレカノ


「あたしに出来ることならなんでも言って!!朱希が愛子を泣かすような事したらすぐに言ってよ!!??大丈夫!!うまくいくよ!!」



「ありがとう…あたし頑張るよ」



愛子の可愛くて素直な笑顔に力強く頷くとズキンと痛む胸に気付かないふりをした。



ー…それから一週間後



愛子は本当に朱希に告白をした。



もちろん返事はOKで二人は、恋人同士になった。



朱希にOKをもらった愛子は、嬉しさで涙を流した…すぐ側で見ていたあたしは愛子に駆け寄ろうとしたけれど朱希が彼女を抱き寄るのを見て、その場を去るしかなかった。



胸の中のモヤモヤが一気に晴れると思っていたのに親友の恋が叶ったんだから、一緒に喜んであげられると思っていたのに…



ー…出来なかった。



気が付いたって遅い。



知らず知らず溢れた涙の理由を知っている。



あたしの恋は、数秒で終わった。
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