カレカノ


「……なによ?あたし間違った事言った??」




「いや…その通りだよな、悪かったな」




ー…言い返さないんだ。




これじゃ、あたしが何か悪者みたいじゃん…




「気ぃつけて行けよ」




「あぁ…うん…」




自転車の後ろから下りると黙って家の中に戻る朱希に自分も黙ってペダルを踏んだ。





スーパーについてお弁当のおかずを買うと慶太にメールをした。





すぐに、返事が来て慶太君は嬉しそうで、あたしも頑張ってお弁当を作らなきゃって思ったのに素直にそう思えない。





朱希は、自分のテリトリーには人を踏み込ませないくせに…あたしのテリトリーには構わずに踏み込んで来る。




それを、嫌だと思えるならどんなに楽なのかな?




踏み込まれる事をほんの少し喜んでいるあたしも…ずるい。















< 99 / 240 >

この作品をシェア

pagetop