青の青空
「青、明日の支度はできたの?」

「わかってるってば。
うるさいなあ」

キッチンに戻った芳子の言葉に、青はうっとおしそうに返事をする。

「ねえ、青、本当にお友達と二人なんでしょ?」

フライパンを火にかけながら、芳子が心配そうに青を見た。

「だーかーらー。
同じクラスのあずさと二人って言ってんじゃん。
娘のこと信じてないとかまじあり得ない」

「違うの、信じてないんじゃないの。
ただ住み込みでアルバイトだなんてママ心配で…」

「大丈夫だってば!」

青は鞄をつかんで芳子に背を向けると、こっそり舌を出した。

この夏最大のイベント、民宿で泊まり込みのアルバイト。

女の子と二人っきりなわけないじゃん。
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