月と太陽の恋愛関係

「うーん、

食った食った。」

グーン、と腕を伸ばすと、少しだけ苦しくなった。


「なっ！」

それを隠して神崎に振れば今にも殴ってきそうな表情。


「おい、何だよお前。

ちっとは乗りやがれ！」

「…」

ここで殴りかかられるのは非常に困る。

俺は急いで冗談だったことを伝えようと言った言葉。


「おい、聞いてんのかよ。」

「あーもー、何なのんだよ。

五月蝿いしっ！」


だがその言葉は見事にシカトされ、オマケに五月蝿いときた。

「はぁ!?
お前この姫が送ってやってだぞ？

ちったー感謝しやがれ！」

プチプチっ…

「姫なんて…嘘ばっかり…」

「はぁ？」

「だって俺見たし！

お前が友達じゃねーような奴とつるんでんの！」


プツン


そこで何かが切れた気がした。

「おまっ、

やっぱ見てたのかよ…」

「そうだよ、見てたよ！
だから何？

どっちが本物の二宮な訳!?」

「お前にそんなこと関係無ぇだろぉが！」

明らかに焦っている。


本当の俺…

一体何処に存在するのだろうか？

「有るし！
一応二宮の彼女なんだから!!」

「「ハァ…ハァ…」」

少し声を出し過ぎたせいだろう。

息が切れ、ハァハァ、と情け無い呼吸をする音が二人から聞こえた。