月と太陽の恋愛関係

「…」

無言のままの二人。

俺はもう既に限界が近い。


「なぁ…」

頭を神崎の事から別の事へ移そうとウトウトしている神崎に声を掛ける。



「ん?」

少しトロン、とした柔らかい返事が返ってきた。



そして横から俺の顔を覗き込む神崎。


眠そうな目が更に追い討ちを掛ける。


「太陽ってさ、何で有ると思う?」

心の中で首を振り、神崎に問い掛けた。

「う~ん…

皆に笑顔をあげる為、かな…?」

「ふ~ん」

「あっ、じゃあさ、月は何で有ると思う?」

「月、かぁ…

お前は何で有ると思うの?」

「う~ん…
そうだなぁ…

太陽を隠す為、かな?」

「なんだそれ」

「太陽の光をさ、隠すんだよ。
暗闇で、

それでさぁ、皆に見られないようにすんだよ、きっと。」

「ふーん」

「何だよ、ふーん、って、

んじゃ二宮やどうして月が有ると思うの?」


逆に質問を返された俺は返事に困る。



月の理由。


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