月と太陽の恋愛関係
そう、あれは夏休みの始まる三日前。
俺は何時ものように無数の女子に囲まれながら椅子の上で苦笑いを作っていた。
作りたくて作っていた訳じゃない。
それなりの理由がある。
ここ最近女子が俺を口説こうと熱い言葉を掛けてくる。
オマケに化粧も濃くなった気がする。
ただでさえ毎日暑いのに、四方を囲まれていては大抵の人は笑顔が引きつるのではないだろうか。
一人を除いては、
ふと、女子の間から見えた二宮は、俺と同じように男子に囲まれていた。
にも関わらず笑顔を浮かべる二宮。
でも、違う。
何かが違う。
あぁ、そうだ。
目が笑ってない。