月と太陽の恋愛関係
と、思っていたらバチッ、と視線が合った。

すると二宮は誰にも気付かれないようニヤッ、と怪しい笑みを浮かべ立ち上がった。


そして、って


「ゴメン、ちょっといいかな?
彼女と話したい事があるんだ。」

何で俺が捕まれてるー!?


「いいよね?」


そう二宮がスペシャルな笑顔で言うと、女子は可愛い、と思ったのだろう。


頬をピンク色に染め、コクコク、と頷いた。

出来ればそこ、頷いて欲しくなかったなぁ…


「あっ、あの…」

突然後ろから女の子の声がした。


何?と俺と二宮は振り返る。


「あの、その…
お二人は付き合ってるのですか…?」

躊躇いがちに聞くその子は頬を真っ赤に染めている。


「そうだよ。
神崎さんは僕の彼女。
んで僕は彼氏。」


その言葉に教室中が静かになり、皆口をパカー、っと開けて俺達を見ていた。

「ごめん、話あるから」と二宮が俺の腕を引っ張ると…


「えと、その…」

声が聞こえた。

今度は面倒くさそうに振り返る二宮。


さっきこ子だ。


「あの、えっと…
私が言うのもあれなんですけど…」


なんだろう、と首を傾げる俺。

頭をポリポリ掻く二宮。


「お幸せに…」


そう言って笑顔を見せた女の子。



それに対し、二宮は笑顔で有難う、と言うと俺を引っ張って教室を後にした。



< 115 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop