月と太陽の恋愛関係
うわっ、ヤバい。


「な、なななんちゃって!」

「…。」

怒った…よな?


『チュッ』

不意に触れる柔らかく温かい感触。


「駄目だよ、王子様。
隙あり過ぎ。」


一気に硬直する俺。


「夏休み、お前ん家に住むから。
よろしく。」


だから断れなかった。



やがて二宮は教室から出ていき、俺は一人。

ようやく動くようになった体をゆっくり動かす。


唇に人差し指を触れさせる。


まだ残る二宮の唇の温かさと柔らかさの両方が残っていた。



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