月と太陽の恋愛関係
コクリ…コクリ…


首が前後左右に激しく揺れる。


と、その時、右頬にとんでもない痛みが走った。


「うわぁっ!ったぁー!」

「プッ…」

頬を抑えつつ隣を見る。

「くくっ‥。」


必死に笑いをこらえる二宮。


「何…、何やってんだよぉー…。」

「ぷっ‥、だって、お前…くくっ‥。」

「サイテー!
いいし別に!

痛くなかったし!」

プイッ、と顔を背ける。


「いや、涙目だし…。

っつかほっぺ真っ赤…ぷふっ‥。」

「な!!

お前のせいだろがぁあぁぁああぁあぁ!!!」


ヤバッ…

ついつい大声で叫ぶ俺。


一気に視線を集めてしまった。


「…ぷっ‥。」

全部、

全部コイツのせいだ!


恥ずかしさに窓の外の景色を見る。

「…わぁ‥」

明らかな田舎の風景だ。


山の緑が目に深く染み込む。


「次の駅は~…」


そんなアナウンスだって聞こえないぐらいにビックリしている俺。


そんな俺を無視して電車はキー、と止まったのであった。


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