月と太陽の恋愛関係
そこの駅からしばらく歩いて、俺たちはちょっとした丘の上に来た。

「わぁ…。」


思わず漏れる感動と嬉しさに満ちたため息。


「どう?」

「まぁまぁ、じゃない?
二宮にしたら。」


ニコッ、と笑う。

そこに広がるのは一面を黄色に埋め尽くす向日葵だった。

風に揺れる姿はまるで海のようだ。


目を閉じれば波の音が聞こえる気がする。


「素直じゃねぇな。」

そうだよ。


二宮に素直になんかなる訳ないじゃん。


だってさ、綺麗、なんて言ったら絶対に調子に乗るんでしょ?


だからあえて胸の中で言っとく。


すっごい綺麗。

ありがとね。


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