月と太陽の恋愛関係
だからさ、


「勿論奢りだよね!」

こんな可愛いげの無い事だって言っちゃうんだ。


「何で俺がお前の分まで払うんだよ。
金が勿体ねぇ。」

こんな意地悪な事言われても嬉しくなるし、

結局払ってくれる優しさにまたドキドキしちゃうんだよ。


でもさ、だから切なくなるんだよね…?


俺はギュッ、と二宮の手を握った。


「…んだよ。」

「二宮が迷子になると困るから。」

「あそ、お前こそなんなよ。」


そう言って俺より強く握る。


二人の少し汗ばんだ手から伝わってくる温度が再び俺の心臓を可笑しくする。


もう、重傷かもね。


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