月と太陽の恋愛関係
「いぃーやーーー!!!!」
童顔少女の叫び声が薄暗い部屋に響く。
「っちょ!離れろって!」
「やだなーやづきねぇ、照れてるのぉ?
かーわーいーいー!!」
「はっ!?
わっ、ちょっ!」
あの後着ているものを全て脱がされ、強制的に浴衣を着せられた俺。
その結果、腹が苦しくなる事と、ちなつちゃんの着付けの上手さを知ってしまった。
っつか、
「抱きつくなって!
苦しいよ!」
「うぅ…、酷いよ、やづきねぇ…。
せっかく、せっかく…」
「分かった、分かったよ!
ありがとう!だから離して!」
「や~ん、また照れてるぅー。」
瞳をウルウル、と輝かせ、俺の姿を見る。
「やづきねぇ渡したくないなぁ…。」
「はっ!?」
「花火大会ちーと一緒に行こぉーよぉー。」
甘えた声で訴える。
「あー、分かったから、ほんとに離して!」
必死に手を突き出し、ちなつちゃんを離す。
「やったぁー!
やづきねぇとでーとだ、でーとぉ!」
無邪気に喜ぶ姿に思わず苦笑してしまう。
ハァ…
こりゃ、俺の完敗だよ…。