月と太陽の恋愛関係
「は?
誰、このじいさん。

っつか、マジ帰るぞ。」

俺は夜月の腕を掴み、ドアに向かって歩く。

「夜月ちゃん。」


あともう少しで外だと言うのに、じいさんの声が聞こえると俺の体はピクン、と小さく震え、歩けなくなってしまった。


「その人は、夜月ちゃんの彼氏さんかい?」

そんな俺を無視し、夜月に話しかけるじいさん。

背中を冷たい汗が伝う。


「え、えと…。」

それに困る俺。


なんで…

どうして答えてくれない。
 
 
俺の事を彼氏だってなんで言ってくれない…。


その瞬間ドッ、とこみ上げてきた、変な気持ち。

「姫と、王子です。」

「そうか、そうか。」


笑顔で納得するじいさん。

一瞬目があった。


その瞳は冷たく、俺の心を冷ましていった。


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