月と太陽の恋愛関係
「夜月ちゃんはモテるねぇ。
でも、この人よりさっきの子の方が夜月ちゃんにはあってるよ。」


そう言ってまた笑顔になるじいさん。

さっきの子?

「あぁ?

さっきの子ってなんだよ、夜月。」

「えっ?お客さんだけ…ど?」


語尾が少しに濁っている。
 
ただの客。


本当にそうなのだろうか?




「ほら、さっきの子の方がずっと優しそうだったよ。」

その言葉に俺の中から沸々と何かがこみ上げてくる。

「やっ、あの、そーゆうんじゃないんで!だから、その…

今日は帰ります!

また明日。」


少しだけ顔を赤らめ、じいさんに別れを告げる。



「じゃあねー夜月ちゃん。」


じいさんも同じような事を言って手を振っている。

今の俺には憎たらしかった。



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