月と太陽の恋愛関係
駅からしばらく歩いた俺た丘の上。

俺にとっての思い出だ。


「わぁ…。」


静かに流れる風に消えてしまいそうな程の声が隣から聞こえた。


「どう?」

「まぁまぁ、じゃない?
二宮にしたら。」


笑顔が俺の方に向く。

一面を黄色く染める向日葵をバックにした夜月の笑顔はとても絵になっていた。


なんて言うか…綺麗…?


そっと瞼を閉じる夜月に静かに声を掛ける。

「素直じゃねぇな。」

そんなこと言って実際分かってたりする。

本当は、

本当はありがとうって思ってんだろ?


だって、そうじゃなきゃそんな顔できねーよ。


俺はクスッ、と笑って同じように瞼を閉じた。

向日葵の香りがあの日のように優しく俺の鼻をなでて、そして消えた…。


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