月と太陽の恋愛関係
本音と過去 幸せと未来



夏休みが終わり、校内は体育祭一色に染まる。


生徒がそれぞれの係に分かれ、体育祭のための準備を進める。



俺の係はグラウンドの整備。

だが体育祭前日ぐらいしか仕事が無いので様々な係を手伝うという、極めて暇な係だ。


今日手伝っているのは旗の作成。

赤、白と並んだ旗にはありがちなデザインが描かれている。


あと少しで完成らしい。



俺は窓際でそれを眺める。



ふと校門から誰かが出て行くのが見えた。



「二宮…?」

恐らく間違いないだろう。

二宮が一瞬こっちを向いた。

目があった気がしたがすぐに校門からでてしまったため、よく分からなかった。


アイツとは夏休みが明けてから一度も話してはいない。

俺達が付き合っているという噂は男女、学年問わず、学校中で有名らしい。


一部からはゴールデンカップルと呼ばれている事も知っている。

そんな事実一切ないのに…


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