月と太陽の恋愛関係
『パンッ』
勢いのいい音と共にスタートする選手達。
俺はアンカー。
バトンが次々に渡り、次は俺。
「おい!神崎走れ!」
「王子走ってー!」
その声にはっと自分に返る。
もうランナーはすぐそこ。
俺は急いで走りだす。
すかっ、とバトンは俺の手に収まらずに落ちた。
「あっ」
急いで拾う。
しかしもう遅い。
別のチームのアンカーはもう遠くにいた。
でもそんなのどうでも良かった。
俺はただ走った。
足の感覚がない。
次の瞬間だった。
バンッ、と遠くの方でピストルがなり、一着が決定した事を知らせる。
俺はそのまま意識を失った…。