月と太陽の恋愛関係
家に着く。
なんとも言えない寂しさを押し殺して家の鍵を開け…あれ?
「開いてる…」
泥棒だろうか?
そしたら戦うしかない…。
恐る恐る足を踏み入れる。
その時だった。
「遅い!」
大好きな声が再び俺の耳に届いた。
ゆっくりと顔を上げる。
間違いない。
「二宮!」
フフンと笑う二宮。
その表情にもドキッ、としてしまう。
でもそれは二宮にとってただの迷惑なのだ。
「何してんの?」
業と冷たく言う。
「それが好きな奴に言う言葉?」
「へっ?」
すると俺を抱き上げ…いわばお姫さま抱っこ?
耳元で言った。
「保健室での言葉、忘れたとは言わせねぇぞ。」
そっか、あれは夢じゃなかったんだ…。
「つー訳で今日は寝かせないからなっ!」
「はいっ!?」
嬉くて、でもちょっぴり恥ずかしくて、二宮なんてまともに見れない。
「目外したらどうなるかしらねぇからな。」
そうして二宮はニカッ、と笑った。