月と太陽の恋愛関係
気付けば入学式当日で、ダルい気持ちを抑えつつ準備をする。
あの子が一緒の高校じゃない事は合格発表の日に分かっていた筈なのに、どうしても諦めきれない。
できる事なら、もう一度会いたい…。
学校に着くと、外には沢山の生徒がいた。
女子が塊になって場所を一部占領していた。
あの子がこの中に居る気はしなかったがとりあえず捜してみる。
やはり居ない。
諦め掛けていた時、遠くの方に一人で立っている奴がいるのを見つけた。
男子制服に身を包んだそいつは、身なりこそ男なものの、実際は女だという事が俺には分かった。
特に女子に見える部分は無い。
それどころか、男子にしか見えない。
理由は分からないが、胸の奥からぐっと込み上げるものがあった。