月と太陽の恋愛関係
しばらくしてやっと落ち着いた保健室。
そこでふぅ、と安心したように息を吐く保健医、嶋。
「…で、どうなんでしょう?」
心配げに聞く霧谷。
「えぇ、貧血のようです。
今日の日光も多分きつかったでしょうね。
全く…、何で言わないのかしら。」
嶋が呆れたように、でも安心したように言う。
「あぁ、良かった…
寝てれば大丈夫ですか?」
「はい。
あとそれから…寝不足のようですが……?」
「寝不足、ですか?」
不思議そうに繰り返す霧谷。
「今まで寝不足になった事なんて一度もなかったんじゃないですか?」
「えぇ、まぁ。」
「可笑しいんです。
それに…、最近彼女の瞳はどこか濁っている気がします。
…何かあったのでは?」
「いえ、私に思い当たる事はありませんが…」
どこか深刻な声で話す嶋。
それにつられて霧谷の声も緊張しているように思えた。