月と太陽の恋愛関係
今度は俺が赤くなる番。

「お前…
  腹減ってんの?」

「う、うん、まぁ…」

「プッ‥」

「わっ、笑うな!

だってさっきファミレスで何も食えなかったんだから仕方ねぇだろ!」

「グゥー、ってウケルし…」

「あぁ、もういいっ!

カップ麺食うから。

二階行けば俺の部屋分かるから先行っててよ!」

「うぃー…」


俺は顔が赤いままリビングの台所に入り、棚の上からカップ麺を一つ、取った。

埃を被ってはいるが…まぁ大丈夫だろう。


『コポポポ…』

お湯を注ぎ、約三分。

時計の針の音がチクタク、チクタク、と時を刻む音だけが部屋中に響いた。



二宮は俺の部屋に行けただろうか…

そこで重要なことに気が付いた。


「俺…女じゃん‥」

男を自分の部屋に連れ込むって言うのは相当危険な事ではないか!


ん?

でも待てよ…


「俺、王子じゃん。」


自分で言って納得。

これなら、あっち系…の事には進まない。

その前に俺に欲情する男がいるのだろうか…?


居なかったら…

それはそれで悲しい。


そうこうしている内にあっと言う間に三分は過ぎた。

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