月と太陽の恋愛関係
そのままカップ麺と割り箸を持って俺は二宮の待つ、自分の部屋へと向かった。



俺の部屋のドアには「YAZUKI」と、自分の名前をローマ字にしただけの素っ気ない木のプレートが掛かっている。


これは昔、俺がずっとずっと小さかったころにお父さんに作って貰ったプレート。

所謂、思い出。


俺は手作り感溢れるそのプレートを、割り箸を持っている方の指でなぞった。


指に伝わってくる木の温かな感触。

そんな感触に自然と俺の涙腺は緩んだ。



俺の視界は瞬く間にぼやけ、霞んだ。


俺は目に溜まった涙をゴシゴシ、と指でふき取り、ドアをゆっくり開けた。



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