月と太陽の恋愛関係
「早っ!
っつか、お前そんなに腹減ってたのかよ…。」

「うるさいなぁー

そうだよ、メッチャクチャ減りまくってたし!」

「っんだよ、言えばいいじゃん。」

「はぁ!?
二宮がずっと食ってたから言えなかったんだし!」

「俺のせいかよっ!」


そんなこんなで二人で言い合っていると、時刻はもう10時半。


「二宮まだ、帰んなくていいの?」

「うーん…
いいんじゃね?」

「ふーん、家の人心配しないの?」

あれ?


俺が訊くと何故か一瞬、苦しそうな顔をした。

気のせい?


「大丈夫?
気分でも悪い?」

「あ、あぁいや

悪ぃ、俺帰るわ。」


そう言うとスタスタと出て行く二宮。

「送って行こうか?」


俺も急いで着いて行く。


「ん?
あぁ、いいよ。」

可笑しい。

靴を履き、今にも暗闇の中に消えてしまいそうな二宮の腕を掴んで止める。


「何?」

明らかに何時もと違う…。

「俺も行くよ。」

「いいっつってんだろ!「駄目だよ!

そんなに、そんなに具合悪そうなのに、一人で帰せるかよ!」


俺が叫ぶと驚いたのか、一瞬肩をピクッ、と震わせた。


そして一言、

「好きにしろ…。」



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