月と太陽の恋愛関係

俺は二宮の数歩後ろを歩く。


足の長い二宮にはなかなか追いつけなくてついつい、小走りになってしまう。


すると、そんな俺に気付いたのか後ろを振り返って、

「わりぃ、ちょっと速かったな。」


そう言って隣に来るよう、促した。



俺はそれに従い、おずおずと隣に着く。


「…」

どっちも一言も話さない。


俺の心臓は尋常じゃない程にドクドク、と大きな音を立てる。

そんな音が聞こえるんじゃないかと、俺は息を止めた。


次第にトクットクッ、と落ち着いて行く心臓。


でもやつぱり音を立ててて…

何故か胸が苦しくなった。



息を止めてるからじゃない。

いや、それもあるけど…


違う苦しさだった。


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