月と太陽の恋愛関係
家に着く。
真っ暗で誰も居ない。
それもその筈。
俺の両親は海外に出張中。
もう5年は帰って来てない。
去年まで一緒に暮らしていた兄貴は、友達の家に居候中。
帰って来なければ、電話の一本もくれない。
俺は捨てられたのか…
「ふぅ…」
一つ、ため息をこぼし、遊びに行く準備をした。
風呂に入り、ワックスで髪をいじってから、最近は全く着なくなった派手めな服に袖を通し、軽く香水を付ければ完成。
久しぶりの夜の街。
楽しい筈なのに、心が曇ったままだ。
俺はその感情を首を振って追い出し、家を出た。