魔法使いですが、何か?
苦し紛れにたまたま視界に
入ったミッシェの顔は…

露骨に嫌な顔をしていた

まるで
部屋の隅にいた
茶色い小判型の油っぽい
昆虫生物を見つけた時のような

驚きと嫌悪感に満ちた顔であった

そんなにいやか?!
僕と一緒なのが
そんなにいやなのかっっ?!

そんな顔をされると
僕だって気分が悪い

暴走母さんにさっそく
抗議をした

「母さん!いくら何でも
一緒の部屋はないだろう?
ミッシェだって一応女の子だし…な?」

「一応とは何よ……
でも、同じ意見です
私…男の子と一緒なんて…
恥ずかしいですぅ」

頬を赤らめて
『純粋な女の子』を
ミッシェは演じていた

お前そんな事微塵も
思ってないだろう
只単に僕と同じ部屋で寝るのが
嫌なだけだろうっ!!

けど、仮にも世話になる
母さんには(一応息子である
僕の悪口なんて)言えないので
やんわりと、かつ!
しっかりがっつり
一緒に寝るのなんて御免だ
と遠回しに言った

しかし、顔が
『なんで私がこんな
ちっぽけな男と一緒の
部屋で寝なきゃならないの』
と言っている
顔に書いてある

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