魔法使いですが、何か？

♪魔法使い試験

さて
時は学生が浮かれる
夏休み真っ最中

７月の終わり頃に
僕が出会った
落ちこぼれ魔法使いは今
僕の傍らで
静かな寝息を立てて
安堵の表情で眠っている

8月2日
夏休みも残す所
あと半分程過ぎた今日この頃

僕らの試験勉強は
何時になく難攻していた

主に、1次関数
1次不等式
2次関数

僕は理解していたつもり
なのだが……

いざ教えるとなると
意外と「こういう物」
「覚えろ」としかいい方が
ないので、困ったものだ

その式の成り立ちや
数字の意味
知らない事が多すぎる

うむ
僕はもっと数学について
学ばなければならないらしい

……二年生は理系に行こうかな



ふ、とそんな事を考えていたが
ミッシェはいつまでも
隣にいるわけじゃない

いつかは
試験に合格したら
帰るんだよな

いつまでもこうやって
教えてやれる訳じゃない

日常に戻ってしまうんだ


「んぅぅ…
すぅ…じ……やぁっ…
……しぃぬぅぅ……」

そんな風に考えていたら
ミッシェは眉を潜めて
ヨダレを垂らして
うﾞーうﾞー唸った

……汚なッッ！！！