大切な1ページ
それからどれくらい経ったのだろう?


ふと耳に聞いたことのない男の人の声が聞こえた…。



「……ちゃん……ちゃん……ますか……なら……して……。」




けれどどれも聞き取れることはなくて…。
そのままよく分からない乗り物に乗せられ乗り物には仕事に行ってていないはずのお母さんまでもが乗っていた。


だからかな…?
お母さんもいるなら安心だぁ。
そう思いまた深い眠りについたのだった。










それからまた目が覚めると……見た事ない真っ白な天井。
そしてお母さんお父さんじぃちゃんばぁちゃんの心配そうな顔が私を見つめていた。




『あ…れ…?ここどこなの?』


「さやか…さやかぁ…良かったぁ。ここは病院。あんた熱あるのにコタツなんかで寝たからひきつけ起こして危なかったのよ。熱計ったとき40度もあるんだもの。」


『ごめんなさーい。痛ッ』




ふいに手を上げるとチクッという痛みが私の腕に走った。




「あっ、手を上げたりしちゃダメよ、今点滴してるんだから」


『えーっ』



最初の2日ほどこそ慣れなかったがずっと点滴をしているうちに段々点滴にも慣れて




「ちょっ…お母さんも付いて行くわよ」


『大丈ぶい♪もうね、1人で点滴引っ張ってトイレ行けるよ。ほら』




そう、点滴とお友達にまでなってしまったのだ。


もう痛くも何ともない。



だけど……ひどかったのは寝てるときだけ。

寝相の悪かった私は案の定、点滴を逆流させてしまう。




『わぁわぁー、血が上に上がってるよ。どうしよう』


「もう、またやっちゃったの?ほらこうやって下げれば大丈夫よ」




最初は慌てていたお母さんもいつの間にか看護師さんのように慣れた手つきになっていた。

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