大切な1ページ
しばらくお父さんと赤ちゃんを見ながら話したあと


「じゃそろそろお母さん達が待ってる病室に戻ろうか」


『うん。でもさや歩くの疲れたからおんぶして、おんぶーっ』


「さやかがそんなんじゃ妹に怒られるぞ」


『だって今は妹ちゃん寝てるからさやのこと見てないもーん。だからお願い~♪』


「ふぎゃ~ふぎゃ~」


『「えっ?!」』




【お姉ちゃんのこと見てるよ。】


と、でも言うかのように赤ちゃんが急に泣き出した。




『おっ…お父さんっ♪妹ちゃん泣き出したよぉ』


「ほら、さやかが妹の前で甘えるから呆れてるんだな。はは」


『違うもーん、きっとお腹空いたんだよ』




子供ながらに、すごくすごく感動したのを今でも覚えている。


あんなにちっちゃな体で顔を赤くしながら一生懸命泣いて私達に何か伝えようとしている。


まだ会話はできなくともこれからの未来を想像するだけで私の心は幸せいっぱいだった。
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