吉原くん炎上す
「もしもし、吉田です」
そういうと吉原くんは「ああ」とちょっと嬉しそうに声をあげた。
きっとアドレス帳とかも使ってないんだろうな。
せっかくの女子からの電話なのに。
くだらない事だけどちょっと腹がたった。
「吉原くんは携帯をまるで使いこなす気がないのか、それとも私の事が嫌いなのかどっちだろうか?」
呟くにように言うと少し驚いたみたいで、すまなさそうな口調で言う。
「いや、ごめん。電話がかかってくることなんて稀なんだ。特定の人からしかかかってきたことないし」
ちょっと言い過ぎたかもな、素直に反省。
「特定の人って?」
気になったので訊いた。
「うちの母親」
「ごめんね。そのための電話なんだね?」
「うん」