吉原くん炎上す

横道にそれてしまった。

用件を伝えないと。


「あのさ。私、吉原正孝の代理人ブログを始めたんだ」


「うん。知ってる。携帯でみた」

まあ、前に電話した時に仄めかしていたから当然か。


「それでね。今、だいぶ反響がきてるの」


「すごいよね。掲示板でもお祭りみたいになってる」

他人事のように吉原くんは言う。


「でさ。明日はブログのコメントにきた質問とかについて答えようと思うんだよね」


「いいんじゃない?」


「その前にさ。色々と吉原くんと話がしたいんだ。電話じゃなくて直接」

私がそう切り出すと彼は黙ってしまった。
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