吉原くん炎上す

タリーズで私は白桃スワークルとワッフル、吉原くんは本日のコーヒーを各々頼み、ガラガラの店内の窓際の席に腰を落ちつけた。


「朝食べてこなかったからさ」

ワッフルが気になっていたみたいだったので、ちょっと言い訳。


「どうぞ、気にせずに食べなよ。話はそれからでいい。話が終わったらメシでも食いにいこう」

ありがたい、きっとワッフルじゃもたないから。

もそもそとワッフルを食べている間、吉原くんはいまの生活について色々と話してくれた。

ずっと連絡を取っていた児童虐待防止の活動を続けているNPOからの紹介で、山梨のペンションで住み込みのバイトをしていた事。

その後、そのペンションのオーナーの紹介で、山梨の山間部で農業を営む老夫婦の元で身を寄せていた事。

そこでの充実した毎日。


「朝は4時には起きて、毎日畑に出てる。特に何するって感じでもないんだけどね、今の時期は。雑草をつまんだり。トマトを収穫したり。毎日、何かやる事がある」


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