吉原くん炎上す

「吉原くん、やっと訊く気になったんだね。いい傾向だよ」


「うん。今まではどうでもいいって思ってたのに自分でも不思議だ」

口元を手で押えて考えるポーズをとる吉原くん。


「端的に言うとね。吉原くんのお母さんがターゲットなの」

「うちの母親?」

びっくりした吉原くんはちょっと声のトーンが上がった。


「そう。吉原くんがこれまでずっとあの状況から抜け出さなかった理由。それはお母さんでしょ?」


そういうと吉原くんは口をぎゅっと結んだまま押し黙った。

そして、大きく頷いた。
< 135 / 208 >

この作品をシェア

pagetop