吉原くん炎上す
「吉原くん、やっと訊く気になったんだね。いい傾向だよ」
「うん。今まではどうでもいいって思ってたのに自分でも不思議だ」
口元を手で押えて考えるポーズをとる吉原くん。
「端的に言うとね。吉原くんのお母さんがターゲットなの」
「うちの母親?」
びっくりした吉原くんはちょっと声のトーンが上がった。
「そう。吉原くんがこれまでずっとあの状況から抜け出さなかった理由。それはお母さんでしょ?」
そういうと吉原くんは口をぎゅっと結んだまま押し黙った。
そして、大きく頷いた。