吉原くん炎上す
その後で私はこれからの計画を吉原くんに話した。
吉原くんの顔は曇ったままだった。
「少し考えさせて欲しい」
「わかった」
私は彼の同意なしに突っ走るつもりはない。
私の固い表情を見て彼は微笑みを浮かべる。
「せっかくこんな遠くまで来てくれたんだ。今日中には結論を出すよ」
窓の外は真夏日。
人影もまばらな駅前。
見知らぬ街なのになぜか懐かしい感じがする。
ぼんやりと私は考える。
誰も知らない場所で吉原くんと二人。
私たちは誰も知らない街で秘密を共有しているんだ。
少しどきどきする。