吉原くん炎上す
「ねえ」
その沈黙を私は破る。
「吉原くんのお母さんと話をしようと思うんだ」
すると吉原くんはすぐさま反応する。
「何を話す気なの?」
声のトーンはそのまま、落ちついた声。
「電話待ってるんでしょ?掛けてあげてって。それと今回の騒動についてちょっと話をしておきたいの。そうでないと吉原くん、決断ができないでしょう?」
そういうと「うーん」、と困ったような声を出した。
「ねえ、なんで吉田さんはそんなに僕のことで一生懸命になるの?」
吉原くんが訊く。
そんな事は決まってる。
「好きだからだよ。吉原くんのことが」
唐突だったせいか、またも吉原くんは黙ってしまった。