吉原くん炎上す

私は続けた。

腹に溜まった気持ちをオブラートに包んで。


「吉原くん、すごく逞しくなりましたよ。今、いる場所は私から言うべきではないと思うので言いませんけど。すごく毎日がんばって生きています。もしも、お母さんにその気持ちがあるのであれば、吉原くんのところに行ってあげてほしいんです。今のお母さんの生活だって、見る限り幸せそうに見えないです。生意気な事を言って申し訳ないと思います。でも、今の彼を見て、旦那さんと比較してみてください」


私が言いたい事を全部ぶちまけた。

お母さんは少し困ったような表情を浮かべた。


「でも、ここも夫の持ち物なの。今の生活だってあるし、あの子だってこの先、大学だって行かせたいし…」

私は即座に切り返す。できるだけ丁寧に。


「でも、彼は養子にでちゃいますよ。お母さん知ってます?15歳以上になると自らの意思で親を選べるんです。でも、彼はお父さんはともかく、お母さんを捨てたくないんです。それに、彼はここにいたら、大学はおろか普通に生活できないですよ、きっと」
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